ベアリングについて。
トイスケートを除く全てのインラインスケートに入っています。
インラインスケートのウィール(タイヤ)が回転する為の部品です。
この部品がよく回る物であればあるほど少しの力で前に進めます。
マイクロベアリング
ベアリングには通常のベアリングの他に小型のマイクロベアリングがあります。
通常はマイクロベアリング用ウィールに使用するか専用のスペーサーを使用して通常のウィールに使用します。
最近ではあまり見かけないかもしれません。
ベアリングの規格
通常ベアリングは608、マイクロベアリングは688という規格品ですのでそれぞれメーカーを気にせずに使えます。
ちなみに数字の後にZがつきますがこれは片面シールドか両面シールドかを表します。
ベアリングの性能
インラインスケートではABEC7やILQ7というような性能の表記を使います。
アルファベット部分は規格名で数字の部分はランクを表します。
ABECとILQ
インラインスケートで使っているベアリングはボールベアリングと呼ばれるタイプで中にボールが入っています。
インラインスケートではABEC7やILQ7というような性能の表記を使います。
ABECとILQは規格を表し、一番大きな違いは中に入っているボールの数量です。
ABEC系は7個、ILQ系は6個のボールが中に入っています。
「6個の方が摩擦抵抗が少ない」「6個の方がグリスなど潤滑材を封入する体積が大きくなるので性能が維持し易い」等言われていますが、実際に使用してみるとABECよりもILQの方が必ず高性能とは感じません。
それよりも精度、材質、潤滑材、構造などのほうがより大切だからです。
6個で支える分、材質や精度についてABECよりも分が悪いからとも言われています。
ABECとILQではどちらが上というよりはモデルによって違うという認識の方が正しいといえますね。
ベアリングの数字=ランク
ABECやILQの後に続く数字はランクを表します。
ランクは1~7まででその中でも良いものを厳選したものが9になります。
- 9:7の中から良いものを厳選したもの
- 7:その工場における最高の手間と工程をかけたもの。
- 5:1工程省いたもの。
- 3:さらに1工程省いたもの。
- 1:さらに1工程省いたもの。
このような形で精度を出しているとのことです。
同じモデルならば、リテーナーやボールの素材など同じものを使用するとのこと。
つまり、A工場のABEC7よりもB工場のABEC5の方が高性能ということが普通にあります。
これは言い換えればA社のABEC7よりもB社のABEC5の方が高性能であると言えるのです。
性能の良いものを使う理由
ベアリングにとって一番好ましくない環境は、回転軸に対して斜めに力がかかる、ホコリなどがある、雨など水分があるです。
これらは全てインラインスケートを使用する環境です。
先に書きましたがランクの高いベアリングは工程もかけて製造され精度の高いものになっています。
精度の高いものであれば斜めの力に対して歪が少なくなるので持ちも良くなります。
また、インラインスケートで平坦な部分を滑るには加速することが必要になります。
この加速という動作は特にバランスを崩しやすい瞬間です。
少しの力で滑れるということは少しの加速ですみ、それはバランスを崩す瞬間を減らすことにつながり、その余力で他のことに注力できます。
一昔前では格安なメーカーのABEC5や工業用ベアリングで十分と言われていました。
今現在では、トリックの種類もレベルも上がり、個々のスケーターのレベルが上がっています。
また、講習会や大会など以前に比べれば増えている原状では、格安なABEC5や性能がどうなのかわからない工業用ベアリングでは十分ではないでしょう。
グリスorオイル
ベアリングに封入してある潤滑油はオイル、グリスの2種類があります。
潤滑油の役割は回転している部分の磨耗を防ぐため。
潤滑油の切れたベアリングは「シャー!」という乾いた音がする。
潤滑油の切れた状態だと寿命が激しく短くなるが潤滑油の抵抗が無いため実はよく回る。
潤滑油はベアリングを守るためにある。
オイル
滑り出しからよく回る。
オイルは切れやすくメンテナンスの頻度は高め。
グリス
よく回るまで少し時間がかかる。
オイルと違い切れにくくメンテナンス頻度は低い。
ベアリングのシールド
蓋のこと。
金属のものとゴム製のものがある。
ゴム製といってもプラスチックのようにちょっと硬い。
実は金属製のものの方がコストが安い。
片面だけの片シールドや、蓋が開かないものも存在する。
工業用ベアリング
様々な種類があるが608という規格ならば装着可能。
良いもの悪いもの様々。
工業用ベアリングは高速回転や長時間回転が主な目的になっている。
特に軸に対してまっすぐな力が加わることが普通。
それゆえに、グリスが硬いものを使用していたりすることもある。
当たり外れどころか向き不向きもあったりするようでなるべくならば工業用ベアリングに比べて高価ではあるがインラインスケート用が安心。